山谷氏への野次についての覚え書き(追記あり)

問題の部分の動画の文字起こし

小川「この訪問した方のですね、元在特会の幹部の方がこういう風にホームページで言ってますよ。『山谷先生の宿泊されているホテルへ押しかけ、しょうそ、少々遅い夜明けのコーヒー、』とこういう風にいっています。大臣が泊まられているホテルに朝方、午前中ですね、訪問したんじゃないですか。大臣はそれを受け入れてお会いしたんじゃないですか。」
野田「宿泊先まで知ってるってのはねんごろだった関係じゃねえのか」(追記:「ねんごろだったんじゃねえのか」としておいたところブクマで「宿泊先まで知ってるっていうのは、懇ろな関係じゃねえのか」ではないかとのご指摘がありました。ほぼご指摘の通りに修正しています)
議長「山谷大臣」
議員たち「それ失礼なんじゃないのか」「それ失礼だろ」「今の発言問題なんじゃないのか」
5分51秒ぐらいに発言者を振り返っている議員達の視線が確認できる。
山谷答弁する
議長「速記を止めてください。今、不規則発言があったようでございますが、野党の党理事から厳重に注意するということでございます。今後十分お気をつけください。」

ここで確認できることは
1)問題の発言が出た途端に、複数の議員から問題発言の指摘があった。
2)議事録がいったん止められ、協議がなされた。
3)議長から、「不規則発言」「野党の党理事が厳重注意する」「今後気をつけるように」という説明があった。
4)つまり野党の、この場合民主党の党理事が即座に問題発言を認め、厳重注意することを言明し、議長もそれがこの場に必要な措置であることを認めている。

ということです。この文脈に照らして、「ねんごろ」というのは性的な関係があったんじゃないかと示唆していると与野党議員と議長が認めている訳です。本人の意図は本人しかわからないので、後からどんな説明をすることも可能です。また「ねんごろ」が辞書や日常の会話で問題なく使われている用例がどんなにたくさんあったところで、この文脈ではその場にいた多くの人が性的な揶揄の意図を受け止め、だからこそ複数の人々が問題にし、議長も野党側もそれを認めています。

セクハラは構造的なものである、権力者へのセクハラというのはおかしいという意見も散見しましたが、これは文字通りの性的な嫌がらせであって、セクシャルハラスメントとして社会的に定義されるものと異なっていようがこれが「性的な嫌がらせ」すなわち「セクシャルなハラスメント」であるとみなすことにはなんの問題もないと考えます。

山谷氏の在特会との問題との間で優先順位をつけたり、これで話をそらせるのかとか、言葉狩りとかを危惧する必要もありません。それはそれでとことん追及すべきでしょう。しかし相手が山谷えり子だからといって文脈に照らして多くの人が嫌がらせと認めるものをうやむやに済ませることはできないと考えます。本人の言い訳は読みましたが、そんなに問題のない意図だったらあそこで野次として成立しない、野次を飛ばす必要がないことです。最低でももっとちゃんとした謝罪は必要でしょう。

聞くに堪えない、と私も思いました。