ネタでもその志は低すぎる「イケメン税」を載せる朝日

こういうのには正面から突っ込んでおかないといけない。例によって取り上げるのが遅いのでもうどこかで指摘済みかもしれませんが。

朝日新聞デジタル「イケメン税で恋愛の格差を是正」 森永卓郎さん

「見た目のよい男性にイケメン税を課し、不平等を少しでも是正すれば、不細工な男性も恋愛しやすくなり、結婚する人が増える」――。経済アナリストの森永卓郎さんは、少子化対策でこんなアイデアを提唱している。奇策にも見えるが、本人は大まじめだ。

この段階で却下しろよ、朝日。男性にだけ税を課すって言ってるんですよ。「経済アナリスト」が「大まじめ」に提唱できることかどうかひっかかれよ。「見た目のわるい男性に(マイナスの)キモメン税を課し」ないし「見た目のわるい女性にブス税を課し」だったら載せたのか?片方の性だけ見た目で差別していいって言ってるんだから同じことだよね。

「所得の格差がよく注目されるが、もっと深刻なのは容姿の格差。見た目がよい男性はとんでもない数の女性を獲得している。同時に100人以上の女性と関係している男性もいる。その結果、女性が一部の男性に集中するという問題が起きている」

関係するって何?セックスできる関係を維持するっていうこと?1日1人ずつ毎日やっても3ヶ月以上か。大変ですね。

それはともかく、女性の税金については問題にしない。女性も等しく税金を払っている存在だということは眼中にない。女性の読者も眼中にない。女性に関心のない男性や同性愛者も考慮なし。あるのは100人以上同時に関係するようなイケメンに「獲得」される女性のみ。そういう女性観をもった人に

女性と接触する機会が減り、どんどん女性とのつきあいが下手になっていく。2次元のアニメや漫画のキャラクターの女性に恋をしている。でも人間の女性は超面白いよ、といいたい

と言われても「は?」といわざるをえない。

女性は容姿で男性を判断する、それはつまり女性をアホだと言っているのですよ。容姿がダメなら金でなんとかしよう、それはつまり女性は容姿がダメなら金で動くバカだと言っているのですよ。「人間の女性は超面白い」だ!?顔洗って出直して来い。

まあ、いいです。森永氏は。そういう人なんでしょう。認識を問いたいのは朝日だ。「イケメンばっかりモテるんです。あいつらの税金上げろ」これのどこが「少子化対策」なの?風が吹けば桶屋がもうかるの?少子化やら税制という老若男女みんなに関わる話をする時に、なんで想定読者がおっさん(=これをネタとして費消してくれそうな人)なの?

森永さんの案は、イケメンの所得税は倍にする一方、容姿がすぐれていない男性の所得税は1〜2割、減額する。所得税最高税率は40%のため、イケメンで収入の高い人は80%になる。イケメンかどうかの判定は、無作為に選ばれた女性の評議員が多数決でする、という構想だ。

女性を自ら納税するものでなく、男性の序列化をサポートする者とみなす。ようこんなアホなことを恥ずかしげもなく載せられますな。これが少子化を解消するアイデアとか勘弁して欲しい。軽いネタや面白い企画の中から議論して実現可能なアイデアを見つけていくのはいいと思いますよ。叩き台が論外なの。問題提起になってないの。いい加減にしてください。