こいつら敵じゃない

追記:他人の誕生日のお知らせは設定でオフにできることをブクマで教えていただきました。

その後陰謀論の友達は、Facebookがプライバシーポリシーを変更したのでまた何か陰謀をキャッチして、FBやめますと言って去っていきました。こちらから去るつもりだったのにあちらから去られた。なお、FBから去ること自体は悪い選択肢だとは思っていません。

FBのウザさは今更繰り返すまでもなく特に他人の誕生日を知りたくない自由が尊重されないところは耐えられないレベルなのですが、今のところまだ使っています。(君ヘビーユーザーじゃん、とか突っ込む私個人を紐付けできる人はたぶん3人ぐらいしかいないはずです。)ともあれ、SNSは友達関係について、今までいかに友人のことを知らずにつきあっていたかということを、多くは知りたくなかったことを色々と知らせてくれるものでした。

ところで今でこそ陰謀論を批判している私が過去にはいろいろなものにひっかかっていたことは何度か書いたことがありますが、そういえば和牛商法にももう少しでひっかかるところだった、のはまだ書いてなかったな。それはともかく、ふだん政治向きのことはあまり書かないけれど、死刑に反対でフェミニスト天皇制にも反対ぐらいのことは今も公言しているわけですが、昔はさらに「公務員は体制の犬だ」ぐらいは思っていたのでした。公務員は体制を維持するのが仕事なので(ただし体制が変わってもやはり維持する)それは当たり前(犬は失礼だけど)なのですが、個々の公務員のことなんて考えもせず、まさかロスチャイルドが支配しているとかは思ってなかったけど、なんか巨悪のような漠然としたイメージを持っていた。その頃にネットがあって不正選挙とか流れてきたら「そうだそうだ」ぐらいは思って拡散に協力していたかもしれない。

公務員に対する認識が変わったのは自分が公務員になった時でした。公務員になる時点で反体制派としては失格なのですが、だって昔から何もできなくて、でも机の上のお勉強はまあまあ得意なタイプだったので、特にコミュニケーション能力とか低いし、要は普通の会社が勤まらなくていくつか転々とした挙句に田舎の公務員に落ち着いた(それもやめたけど)のでした。そこで早速やりましたよ、選管の中の人。選管自体は議会が選ぶのですが、実際の事務は事務局が、つまり役場の総務課あたりがやっている訳です。そこで選挙事務に限らず、いかに役場のお兄さんお姉さんおばさんおっさんらが日々誠実に、要するにごく当たり前に良心的に仕事をしているのかを目の当たりにして愕然として気づいた。「こいつら敵じゃない」

今SNSが普及してそのころとは順番が逆になりました。私には明らかに敵じゃない友人たちがいる。でもその何人かは陰謀論者であり、ある人はネトウヨであり、別の一人はホメオパスであり、ある意味「敵」であるのでした。人生には友人と敵対しなくてはならない時もあり決別しなくてはいけない時もあり、うんざりして去っていこうと思ったら去られる時もある。しかし決定的に決裂せざるを得ない相手にもひたむきな人生がありその人なりのまっとうな選択だということを今の私は知っている。相手を知った上でなら、友人であろうとなかろうと批判すべきは徹底的に批判すればいい。でも漠然とした巨悪は、実体のない幻想である可能性が高いということを、去り行く友人に伝えたいと思います。こいつら敵じゃないと気づいたら、気づいても別に世の中はよくはならないけれど戦い方が変わってくる。戦うべき相手を見極められるようになるとも思うのです。余計なお世話ですが。

今年もお世話になりました。よいお年をお迎えください。