読売はいい加減に大津市長を最年少女性市長と呼ぶのをやめろ

最年少女性市長「身切る」…退職金半減の条例案 : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

「地方の県庁所在地の首長が、財政再建に取り組むにあたって、地域住民に負担を強いるならばまず自らが既得権を手放すという意向を示した」というニュースにおいて、その首長が若いこと、女性であることを見出しにもってくる意味がどこにある?

県庁所在地の首長はそれ自体激務である。加えて就任後数ヶ月で、前任者の時に起きたいじめ事件で(就任後の対応については本人の責任であるが)全国的な批判にさらされる立場になった。マスコミなどにも対応しながらしかし公務は滞りなく進めなくてはならない。肉体的にも精神的にもきついと思われる仕事を半年以上こなしてなお「最年少」「女性」を取沙汰される。私ならとっくに心が折れているだろう。大津市長は類まれな精神力と体力の持ち主かも知れないが、全国紙の見出しを飾るのは本人の名前でも責任を持っている都市名でもなくて若さと性別である。

若い女性を強調した方が読者の注意を惹きやすいという考えならば、読者をなめている。それは昔、「女性自身」などに感じた違和感に似ている。女にはゴシップを与えておけば喜ぶだろう。おっさんには若い女の子を出しておけば目を引くだろう。違うという?2012年9月5日の1日だけで下記のような見出しがあった。

女性弁護士、遺言執行預かり金4500万円横領 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
女性市議「停職運転士自殺、橋下の犠牲」と誤記 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
「居住歴ない」女性区議問題、政倫審開催へ : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
橋下氏、女性区長に辛口批評「オーナー企業的」 : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

たった1日でこれだよ。一体読売の整理部は仕事してるのか?読者をなめているのでなければなんなの?読売はまだ女性が政界やら法曹界に進出していない20世紀に生きてるの?

読売の見出しに関してはつい先日もこんなことがあった。
女子高生も「想像すると怖い」…繁華街にヒグマ
この記事はブクマを見ると最初、こういう見出しだったことがわかる
はてなブックマーク :ヒグマ、札幌中心街を横断・住宅街でも出没 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
一応札幌に支社があるのに確認しないのか、藻岩山から真駒内川を南下したというクマを「札幌中心街を横断」ってあほか。いや乱暴ですいません、こういう地方のことについてええ加減なこと言う記事、いや見出しには本当に腹が立つ。クマが出たんだよ?接触事故とかあったら命に関わることだよ。「札幌中心街」といえばただの住宅街というよりは格段にインパクトは上がるけれど、札幌市の状況からいえば話をどう膨らませてもそれは嘘だよね。センセーショナルな見出しで気を引くのと、命に関わることについて事実を的確に伝えるのとどっちが大事なの?という批判があったのかどうか、私がWebで見たときには見出しは上の「女子高生も〜」に変わっていた。だ〜か〜ら〜相手クマだって。金太郎じゃあるまいし、女子高生じゃなくたって想像すると怖いに決まっているではないか。まだ繁華街とか言ってるし。という訳で、私は読売の整理部は記事内容を的確に要約して内容を示すよりも、大げさに煽って気を引くことに重きを置いているのではないかと疑っている。煽り成分をゼロにしろとは言わないが、程度問題があるだろう。少し話がそれたがともあれ、21世紀も10年以上経って、読んでるほうが恥ずかしくなる女性観はいい加減にしていただきたい。

読売に限ったことではない。しかし小町を読んでいたら読売に目がいく、のではなくて、今回たまたま読売が目に付いたので2012年9月6日現在のメモとしてエントリに残すことにした次第です。