心なき身にもあはれは知られけり(懇親会雑感)

講演会の後の懇親会で新人は自己紹介をさせられる。研究室に新しく配属された学部の3年生が「今まであんまり勉強してなかったので今日の発表もポカーンという感じでした」と次々言うのを聞きながら「これ、私が同じこというたら怒られるやろなあ...」とぼんやり思う、私はD1。(身元ばれした時にために今から言い訳しておきますがポカーンとしてませんよ。冗談ですよ。)閑話休題

初めてのところに入っていくことに抵抗はない。パーティーやなんかは苦手だけれど、まあ浮いたってどうということもない。いつもどおりに偏屈に生きられればいいよと思って新しい世界に入ってみたらいきなりその偏屈バリアを突き破られて改心を迫られている。

一つ目は苦手なはずの懇親会で、もうごめんなさい、私が悪かったです、といわざるを得ないところまで温かくサポーティブな励ましと刺激を得たこと。斯道の殉教者たち、ではなくて先達と普通にしゃべるだけ、言葉をかけてもらうだけで的確にこっちのやる気が引き出されてしまう。あっさり陥落してしまった。目の前に本当にやりたいことがあり、それを支えてくれる人がいて、あとはやるだけという時に私は偏屈でいる理由を失う。だからってフレンドリーなさわやかな人になるのかといえばそんなことは全くない訳で相変わらず愛想も悪く大勢の集まりの中では浮いてないと落ち着かないのだが、浮こうが沈もうが、真摯な研究者達の前に自分のはったりや衒いが通用する訳がないことがあまりにも明らかなのである。人生も折り返しを過ぎていまだにこんなことをしているアホな人に温かい言葉をかけてくれる人々はおっさん/おばさんの形をした神様ではないか。心無き身もその有難さに日頃の傲慢を忘れ頭を垂れる。

二つ目、周りのレベルに追いついていない。編入したので周りの人は私のアホを誰も知らず(先生達には入試でばれているが)漠然と、まあそこそこやれる人が入ってきたんだろうと思っているぽい。いくら私がアホは晒して叩いてもらう方針で叩かれるのが好き(今回については文字通りの意味ではない)といっても、これがまもなく演習であたって修論を発表する日にばれる、その前にもばれるかも知らんが、というのには少々覚悟がいる。そしてばれるかどうかによらず全面的にどこからどこまでもやり直しつつ前に進むのに全力を尽くさざるを得ない。

そのうち泣きが入るというかもう泣いていて涙の乾くひまもない。しんどいよ、しくしくしく。。。

なんとかやっています。